DIARY

Rigidity for a Ride

By 2023年4月18日 No Comments


「春に3日の晴れなし」と言われるが、今春のように好天に恵まれると陽気に誘われ、必然バイクに乗る機会も多くなる。そんなとき足元を固めるのは言わずもがな、先月手に入れたばかりの我が相棒たるOXFORD BLACK ROUGHOUTだ。


アウターソールをVIBRAM#2021、ミッドソールをシングル+ハーフスリップとしたボリューム感のある仕様ゆえ、バイクの操作性については一抹の不安もあったが、1ヶ月の使用を経てそれがまったくの杞憂であったことが明らかとなった。


端的に言えば、ブーツとしての剛性が極めて高いのだ。頑強にビルドアップされたWHITE’Sのブーツはヨレや歪みとは無縁。そのため車体からのフィードにノイズが介在することなく、ダイレクトに伝わってくる感覚がある。ライディングにおいては柔軟性や屈曲性に富むスニーカーにアドバンテージがあると思っていたが、これは嬉しい誤算だった。


元より我が愛機は上品な作りのバイクではないので、ブレーキに関しては“踏む”か“強く踏む”の選択肢しかないが、都内の喧騒を駆け抜けるにはそれを補う繊細かつクイックなクラッチ操作が求められる。その際に、ソリッドに構築されたブーツが足からの入力を寸分違わず車体に伝え、思い描いたとおりのクラッチワークを実現してくれるのは非常にありがたい。


外観に関しては、着用1ヶ月ではさほど変わりは見られない。強いて挙げるならタンにシワが付き、わずかに踵が減ったことくらいだろうか。人生をともにする相棒はそんなにヤワではないというわけだ。この先、何年も何十年も掛けて、その姿を変えていく様を末永く堪能していきたい。


ROLLER magazine / KSK