DIARY

CHROMEXCEL

By 2019年5月15日 No Comments

 

 

今回は愛用中のSMOKE JUMPERとMP BOOTSに使用されるChromexcelと呼ばれる革を紹介したい。Chromexcelは1905年に創業したアメリカ・シカゴの老舗タンナーHorween Leather Companyが独自のレシピで加工したオイルレザーの名称で、油分の保有率が極めて高く防水/耐久性に富み、その上馴染み易いというブーツには正に三拍子揃ったマテリアルだ。強いて難点を挙げるなら、“丘染め”と呼ばれる革の表層のみを着色する染色方法のため、他のオイルレザーと比べキズが付きやすく、特に黒革の場合はそのキズの下から地色が出易いこと。ただこれを“茶芯”と呼び、「テイスティなエイジング」と称賛するスキモノも存在する。

先述の通り愛用中のSMOKE JUMPERとMP BOOTSには共にHorween 社のChromexcelが採用されるが、個人的にはやはり他のオイルドレザーに比べ小キズが入り易い印象はある。負荷かかるバイクライドにも遠慮なく使用していることが、キズの最たる原因だけれども。

特筆すべきは馴染みの良さに尽きる。これはもう驚異的と表してもいいだろう。新品のブーツにはつきものだった購入当初の苦痛の時間も、Chromexcelを使用するSMOKE JUMPERとMP BOOTSでは皆無だった。

気がつけば全体的に入ってしまった小さなキズから顔を覗かせる“茶芯”も、こうしてみればなかなかの趣。今後3年、5年と履きこんでからの表情が楽しみである——。