昨年末、新たな愛機を手に入れた。Harley-DavidsonがラインナップするSportsterというモデルの派生機種で、コンペティションモデル(競技用)に位置付けられるXLCH。バッテリーレス/マグネット点火でキックスタートオンリーという硬派なスペックがチャームポイントだが、反面クセの強さもハンパじゃなく、いまだ思った通りには言うことを聞いてくれず。特に10度を下回る寒い日なんてキックペダルを踏み続けること30分を超えても、エンジンすらかからないなんて日もあったり……真冬の裏路地でひとり汗ばみキックを踏み続けていると、二十年前に1949年式のH-D Pan Headを手にしたばかりで四苦八苦した日々を思い出したり。そんな辛酸を含め新たなヴィンテージH-Dを堪能している2020年初頭。
H-D本社があるアメリカ・ウェスコンシン州ミルウォーキーで、1969年に生産された我がXLCH。これは当時の広告。ボディカラーにはブルーにオレンジ、グリーン、ゴールドなどカラフルなバリエーションがラインナップされた。
1969年といえば、長引くベトナム戦争や旧態依然の世相にNOを突きつけた若い世代によるカウンター=フラワームーブメントが隆盛を極めた時代。そしてロードムービーの金字塔EASY RIDERが上映されたエポックイヤー。
昨年のBorn-Freeの後、OakLandのMax Schaafの家を訪ねた際、彼が新たに手に入れたSportsterを借りて共にベイサイドを走ったのはいい思い出だが、あのH-Dも1969年式のXLCHだった。
蛇足だが、日本が世界に誇るHONDAのモーターサイクルの金字塔CBが、世界の2輪界の頂点たるフラッグシップモデルとして開発した750FOURが北米でデビューを飾ったのも1969年。
ルックスや色はもちろん、1969年という年式もお気に入りのポイントなのです。