DIARY

MP Service Boot

By 2019年2月6日 No Comments

アメリカ合衆国を代表するモーターサイクル・カンパニーHarley-Davidsonは

過去US ARMYが正式採用した軍用車を製造していたのをご存知だろうか。

 

1903年の創業以来、質実剛健なプロダクトを標榜してきたH-Dだが

その品質が呼び水となり第二時大戦以前の1940年代初頭より

ガバメントの要請で軍用バイクを製造した。

蛇足だが、軍需が高まり国内中の物質が不足した1943〜45年にかけてのH-Dは

製造能力/マテリアルのほぼ全てを軍用モデルに投入したため

同期間の民間向けのシビリアンモデルの製造数は極めて少ない。

排気量750ccを誇るフラットヘッド機構のエンジンを搭載する

H-DのアーミーモデルWLAは、Olive Drabと呼ばれる軍用色で塗装され

シビリアンモデルのWLと差別化された。WLAの末尾AはAMRYを示すものだ。

車体に取り付けられたホルスターは言わずもがなマシンガンを装備する

軍用車ならではのディテール。土嚢製作のための携帯スコップなどもしかり。

操作方法はフットクラッチ/ハンドシフトで、これは40年代までの全てのH-D共通の作法だ。

かくしてWLAは陸軍兵士と共に世界中の戦地の最前線に送り込まれた。

 

 

 

 

H-D史を語る上で欠かすことのできないWLAは朝鮮戦争でも活躍

のべ9万台以上が製造されたと言われるが

戦地ではより運輸能力の高い4輪車JEEPにその座を譲った。

 

 

戦地に派遣された兵士が集う前線キャンプなど

軍内部の交通整理や秩序維持を任務とする

MP=Military Policeと呼ばれた憲兵たちも

H-Dの軍用車WLAと共に厳しい任務をこなした。

 

2017年にデビューしたWHITE’S BOOTSのアップカマー

MILITARY POLICE SERVICE BOOTは、

MPたちが愛用したタフなサービスシューズをモチーフに

最上のマテリアルを専用設計のBarrie Dress Lastを用いて

クラシカルかつジェントルな佇まいへフィニッシュした新作だ。

ワイズからつま先へシェイプされる独自のシルエットは

“Dressy”と形容してもいいだろう。

参考までに、WHITE’Sならではの履き心地を生む“Arch Ease”はこのモデルでは

採用せず、これによりニュートラルな履き心地となっている。

カジュアルもドレスアップも決まるWHITE’Sの新機軸。

実に興味深い1足だ。